スペインと南米のスペイン語の違い
Posted On 2025年8月13日
スペイン(主にカスティーリャ地方)と南米のスペイン語は、同じ言語でも発音・語彙・文法・ニュアンスにいくつかの大きな違いがあります。
ざっくりいうと、「東京の標準語」と「関西弁」くらいの違いはありますが、お互い理解は可能です。
1. 発音の違い
項目 | スペイン(カスティーリャ地方) | 南米(多くの地域) |
---|---|---|
c, z の発音 | 「θ」(英語の think の th の音)に近い 例: gracias → 「グラθィアス」 |
「s」と同じ音 例: gracias → 「グラシアス」 |
ll, y の発音 | 「ʝ」または「y」に近い(地域差あり) | 多くの国(アルゼンチン・ウルグアイなど)では「ʒ」や「ʃ」(フランス語の j や sh に似た音)になる (yeísmo) |
s の発音 | はっきり発音 | カリブ海沿岸や南米南部では語末の s を弱く発音、または省略(例:más o menos → 「マー・オ・メーノ」) |
全体のリズム | 音が少し速く、強弱がはっきり | ゆっくりめで、母音を伸ばす傾向(国による差大) |
2. 語彙の違い(例)
意味 | スペイン | 南米(例) |
---|---|---|
車 | coche | carro / auto |
携帯電話 | móvil | celular |
ジュース | zumo | jugo |
パソコン | ordenador | computadora |
ストロー | pajita | sorbete / bombilla(国による) |
3. 文法・敬語の違い
-
二人称単数
-
スペイン:tú(くだけた言い方)と usted(丁寧)
-
南米:同じく tú と usted を使うが、国によっては vos(アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイなど)が一般的(voseo)
-
-
二人称複数
-
スペイン:vosotros を日常的に使用
-
南米:ustedes を丁寧・くだけた場面どちらでも使用(vosotros はほぼ使わない)
-
-
時制の違い(完了形)
-
スペイン:現在完了形(he comido)を日常的に使う
Hoy he comido paella.(今日はパエリアを食べた)
-
南米:単純過去形(comí)を使うことが多い
Hoy comí paella.
-
4. ニュアンス・文化的背景
-
スペインのスペイン語はヨーロッパらしい直線的な物言いで、会話スピードも早く感じることが多いです。
-
南米のスペイン語はイントネーションが柔らかく、ゆったりして聞こえることが多いです(もちろん国や都市によって全く違います)。
-
アルゼンチンはイタリア語の影響、カリブ地方はアフリカ系や英語の影響が強く出ています。
スペイン語で人生を変えよう
Think different
